【1月29日 AFP】イランのアハマド・バヒディ(Ahmad Vahidi)国防軍需相は28日、国営テレビを通じて声明を発表し、サルを乗せたロケットを大気圏外まで打ち上げ、無事帰還させることに成功したと発表した。

 イランは2020年までの有人宇宙飛行の実現を目指しており、今回の打ち上げ成功は同国の宇宙開発計画にとって大きな前進となる。イランのアラビア語放送局「アルアラム(Al-Alam)」などが伝えたところによると、ロケットは高度120キロメートルに到達し、周回軌道に乗らない飛行を行った後、地上に戻った。サルも生きたまま帰還したという。

 イランは2011年にもサルを乗せたロケットを打ち上げたが失敗している。失敗の原因についての正式発表はなかった。

 国防軍需省はメディアを通じた声明で「サルを乗せたカプセル、コードネーム『Pishgam』(開拓者の意)の打ち上げと、地上で積荷を回収することに成功した」と発表したが、打ち上げの時刻や場所は明かしていない。

 イランが秘密裡に核開発を進めていると主張する西側諸国は、同国の宇宙開発計画が核弾頭を搭載可能な弾道ミサイルの開発に使われるのではないかとの深い懸念を抱いている。

 国連安全保障理事会(UN Security Council)は2007年から、核兵器と核兵器運搬手段関連技術のイランへの提供をほぼ全面的に禁止している。(c)AFP/Farhad Pouladi