【1月25日 AFP】バングラデシュのシェイク・ハシナ・ワゼド(Sheikh Hasina Wajed)首相は24日、南部の主要都市クルナ(Khulna)で行われた軍艦就役式で演説し、同国初の潜水艦を近く購入して海軍力を強化するとの方針を明らかにした。

 首相は潜水艦の隻数、購入時期、購入先などには触れなかったが、国軍幹部の1人によると、同国は現在、中国と潜水艦購入問題で話し合いを進めているという。

 この日の演説の中でハシナ首相は「わが国の海軍に近く、潜水艦を配備することを決めた。近代化によって抑止力を構築するとともに、領海をめぐる紛争への対応力を強化するのが狙いだ」と言明した。

 バングラデシュはミャンマーとの間で領海の境界をめぐって長く対立し、ミャンマーがガス採掘支援のため海軍艦艇を送った2008年には武力衝突の危険も高まったが、2012年3月に国連海洋法裁判所(International Tribunal for the Law of the SeaITLOS)が両国間の海洋境界を画定する判決を出した。

 また隣国インドとの間では、特にベンガル湾(Bay of Bengal)海底の豊かな石油・天然ガス資源をめぐり、インドとの領海画定問題が厳しさを増している。

 ハシナ政権下で軍備強化を進める同国は今月、1971年の独立後最大となる10億ドル(約900億円)に上る兵器購入協定をロシアとの間で調印したばかり。購入するのは訓練用戦闘機、ヘリコプター、対戦車ミサイルなど。(c)AFP