【1月21日 AFP】米司法当局に違法として閉鎖されたファイル共有サイト「メガアップロード(Megaupload)」の創設者、キム・ドットコム(Kim Dotcom)被告(38)は、世界最大規模の著作権侵害事件で逮捕されてからちょうど1年後の20日早朝、メガアップロードの後継となる新たなファイル共有サイト「メガ(Mega.co.nz)」のサービスを開始した。

 キム・シュミッツ(Kim Schmitz)という名前から改名した同被告はこの新サービス「メガ」で、1日に5000万アクセスを誇ったメガアップロードの成功を再現することを望んでおり、「開始14時間で100万人がアクセスし、50万人以上がユーザー登録した」と述べている。新サービス開始直後は新規ユーザーの殺到によるサーバーへの過負荷で、サイトにアクセスしにくくなるなどの混乱が生じた。

 ニュージーランドのオークランド(Auckland)を拠点とし、ドイツ国籍を持つドットコム被告は現在保釈中の身だが、米司法当局はマネーロンダリング、犯罪収益、著作権侵害などの罪で起訴された同被告の身柄の引渡しを要求している。

 最先端の暗号化技術を備えたクラウド型ストレージサービスを提供する「メガ」では、アップロードするファイルの内容はユーザーしか把握できず、サイトの管理者は一切関知しない。これにより、司法当局がインターネット上の著作権侵害行為を故意にほう助したとしてサイト管理者を告発することは、理論上は不可能になるだろう。著作権侵害ほう助は、メガアップロード事件でドットコム被告にかけられた中心的な罪状となっている。

 米司法当局は、メガアップロードが映画・テレビ番組・音楽などのコンテンツの違法コピーを提供して1億7500万ドル(約157億円)の犯罪収益を獲得し、著作権保有者に5億ドル(約450億円)以上の損害を与えたと主張しているが、ドットコム被告はこれらの罪状を否認している。

 ドットコム被告の身柄引き渡しの審理は今年8月に開かれる予定。(c)AFP/Michael Bradley