【1月15日 AFP】パキスタンの首都イスラマバード(Islamabad)で15日、同国で強い影響力を持つイスラム学者が、5月中旬の総選挙に向けた暫定政権の即時発足を求める抗議行動を呼び掛け、2万人以上が集結した。

 イスラム学者のタヒル・カドリ(Tahir-ul Qadri)氏は、多くのデモ参加者を率いて東部ラホール(Lahore)から首都イスラマバードまで約38時間をかけて行進し、議会議事堂そばで推計2万5000人以上のデモ参加者を前に演説した。演説の中でカドリ氏は、国内の苦しみの原因は腐敗した政府にあると述べた。

 カドリ氏は世界各地で教育機関や宗教機関を運営するイスラム学者。市民権を持つカナダに長期滞在していたが、先月パキスタンに帰国した。防弾ガラスでできた箱の中から演説したカドリ氏は、野営をもう1日続けようとデモ参加者に呼び掛けた。

 ある情報機関高官はAFPに対し、集会には2万5000人が参加したと語った。これは2008年の総選挙でパキスタン人民党(PPP)が政権を獲得して以降、最大の政治デモになる。

 演説に先立ち、デモ隊と警官隊とが衝突している。病院関係者によると警察官8人が負傷した。

 パキスタンの議会は3月中旬に解散し、5月中旬に総選挙を実施する予定となっている。だが、カドリ氏は軍と司法関係者と協議の上でただちに暫定政権を発足させ、改革を実施して5月の総選挙で「正直な人々」が選ばれる機会を作るよう呼び掛けている。

 一方でカドリ氏に対しては、政治的な混乱を起こして選挙を遅らせようとする軍部ら支配層による策略だとの批判も上がっている。(c)AFP/Sajjad Tarakzai