【12月30日 AFP】米疾病対策センター(Centers for Disease Control and PreventionCDC)は29日、クリスマスクルーズでカリブ海を航行中だった豪華客船2隻で、乗客と乗組員合わせて400人以上が下痢や嘔吐の症状を訴え、感染力が非常に強いノロウィルスに集団感染したとみられることを明らかにした。CDCは現在、検出されたウィルスから病原菌を特定するための検査を行っている。

 人から人に感染するノロウィルスへの集団感染が発生したとみられるのは、英海運会社のキュナード・ライン(Cunard Line)が運航するクイーン・メリー(Queen Mary)2号と、プリンセス・クルーズ(Princess Cruise)社のエメラルド・プリンセス(Emerald Princess)。

 CDCのウェブサイトによると、10日間のクルーズの予定で22日にニューヨーク(New York)を出港したクイーン・メリー2号には3800人以上が乗船しており、うち乗客194人と乗組員11人に症状が出た。一方、27日に米フロリダ(Florida)州フォートローダーデール(Fort Lauderdale)に帰港したエメラルド・プリンセスでは、4400人以上の乗員のうち、乗客189人と乗組員31人が感染したとみられている。両社は、乗船している人の2%以上に症状がみられた場合には報告が必要だとするCDCの指針に従い、報告を行ったという。

 なお、今月初め以降、その他の客船でも同様の事例が発生している。P&Oクルーズ(P&O Cruises)が運行し、10泊でバルト海をめぐる航海に出ていたオリアナ(Oriana)号でも乗船していた1843人のうち、約300人が体調を崩した。(c)AFP