【12月26日 AFP】英国のエリザベス女王(Queen Elizabeth II、86)は25日、毎年恒例のクリスマス演説を史上初の3D放送で行った。

 演説の中で今年の出来事を振り返った女王は、自身の即位60年記念行事に参加した大勢の人々を見て「謙虚な気持ち」になったと述べたほか、ロンドン五輪のボランティアや選手たちを称賛した。

「これらの大がかりな祭典が成功したのは、大勢のボランティアの人々の努力と献身によるところが非常に大きいです」

「五輪とパラリンピックで示された功績と勇気を見た人々は皆、選手たちの能力や献身、訓練、チームワークから、さらなる感銘を受けたでしょう」

 事前収録されたこの演説は、英連邦のうちエリザベス女王を国家元首とする16か国で放送されたが、3D対応テレビで演説を見ることの出来た人はごく一握りだった。

 今年は、女王の祖父ジョージ5世(George V)が初めて英連邦向けクリスマス演説のラジオ放送を行ってから80年目にあたる。

 収録風景を撮影した写真には、クイーンの頭文字である「Q」の装飾が施された3Dメガネをつけたエリザベス女王が、録画映像を確認する様子が写されている。

 またエリザベス女王は25日、イングランド東部ノーフォーク(Norfolk)州サンドリンガム(Sandringham)にある別邸近くの教会で行われたクリスマス礼拝に他の王族と出席した。一方、ウィリアム王子(Prince William)と妊娠中の妻キャサリン妃(Catherine, Duchess of Cambridge)は欠席した。

 クリスマスは王族と過ごすのが王子夫妻の伝統だが、今月にひどい悪阻(つわり)で4日間入院したばかりのキャサリン妃は現在も回復途中にあり、夫妻は今年のクリスマスをキャサリン妃の家族と過ごしている。(c)AFP