【12月25日 AFP】北朝鮮の前指導者、故金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記が心臓発作で死去する直前、重要プロジェクトの水力発電所で手抜き工事があったことを知って激怒していたと、韓国の朝鮮日報(Chosun Ilbo)が25日、伝えた。

 北朝鮮当局は、金総書記が12月17日に列車の中で過労により心臓発作を起こして死去したと発表している。だが、直接の死因については謎に包まれている。

 朝鮮日報は、金総書記が激高したことが突然死の原因になった可能性があると述べた。

 金総書記は、平壌(Pyongyang)の約120キロ北に位置する熙川(Huichon)の水力発電所で水漏れがあったとの報告を受け、激しく憤った。情報筋は、同氏が「急いで(発電所の)現場監査に向かおうとする中、突然死亡した」と語ったという。

 この発電所は、平壌の電力不足緩和のために金総書記が立ち上げた重要な建設プロジェクトだった。

 高さ100メートルのダムの建設作業の始まった2009年以降、金総書記は建設現場を8回も視察している。また、ダム完成時の4月5日には、北朝鮮当局が金総書記の偉業としてこのプロジェクトを広く報じていた。

 発電所は15万キロワットの発電能力がある。国営メディアによれば、作業員の「英雄的な功績」により、通常10年かかる建設がわずか3年で完了したという。(c)AFP