【12月25日 AFP】ここ50年で最悪の干ばつに見舞われている米国南西部では、向こう10年以内に地球温暖化の影響により地表水がさらに10パーセント減少する可能性があるという研究結果が、英科学誌「ネイチャー・クライメート・チェンジ(Nature Climate Change)」で24日、発表された。

 気候シミュレーションを基に行われた同研究によると、カリフォルニア(California)州北部の冬季降水量やコロラド川(Colorado River)流域での降水量は増加が予測される一方、気温上昇により増える地表水の蒸発量が降水量増加分を上回り、土壌や河川の乾燥が進むという。テキサス(Texas)州では雨量の減少と蒸発量の増加という二重苦に襲われる可能性も指摘されている。

 研究論文の共同筆者、コロンビア大学(Columbia University)のリチャード・シーガー(Richard Seager)氏によると、南西部全体の2021~2040年における表面流去水の年平均量は、20世紀後半と比べ10%減ると予想されている。表面流去水とは、土壌に吸収されず地表や川に流れる雨水。

 シーガー氏は、農業用水や家庭用水の供給源となっているコロラド川にかかる負荷を考慮すれば、「これは非常に大きな減少だ」と述べている。(c)AFP