【12月20日 AFP】スイスの老舗チョコレートメーカー「リンツ＆シュプルングリー（Lindt & Spruengli）」がクリスマス向けに売り出したテディベアをかたどったチョコレート「リンツベアー（Lindt Teddy）」をめぐり、ドイツの菓子メーカー「ハリボー（Haribo）」が自社の看板商品であるテディベア型グミキャンディー「ゴールドベアーズ（Gold Bears）」に酷似しているとして訴えた裁判で、独ケルン（Cologne）の裁判所は18日、ハリボー側の主張を認める判決を下した。

　リンツベアーは、金色のホイル紙で包まれたクマの形のチョコで、クマの首元に赤いリボンがあしらわれている。リンツ側はこのデザインについて、同社のイースター向け商品のウサギ型チョコレートと同系列であり、赤色と金色の組み合わせはクリスマスシーズンの伝統的な色彩だと主張。商品名もハリボー社製品を思わせる「ゴールドベア」「ゴールドテディ」などをあえて避けており、また商品の形状にも全く類似性はなく、消費者が混乱する恐れはないと反論していた。

　しかし裁判所は、消費者がリンツベアーを話題にする際、いちいち「金色の紙で包まれたクマ」や「金色のチョコレートのテディベア」などと形容するとは考えられず、単に「ゴールドベアー（金色のクマ）」と称する可能性は高いと指摘。したがって、リンツベアーはハリボー社の商標を希釈化すると判断した。

　リンツ側は判決を不服として上訴する方針。(c)AFP