【12月19日 AFP】日本鯨類研究所(Institute of Cetacean Research)と共同船舶(Kyodo Senpaku)が反捕鯨団体のシー・シェパード(Sea Shepherd Conservation Society)が行う妨害をやめさせるよう米国の連邦地裁に求めていた裁判で、第9巡回控訴裁判所は17日、同団体に日本の調査船の500ヤード(約460メートル)以内に近づくことを禁ずる仮処分命令を出した。

 裁判所はこのほか、シー・シェーパードと反捕鯨活動家で国際刑事警察機構(ICPO、インターポール、Interpol)の指名手配を受けている同団体の創設者ポール・ワトソン(Paul Watson)容疑者に対し、日本鯨類研究所の調査船などへの「物理的な攻撃」、さらには「安全な航行に支障をきたすような方法での航海」についても禁じた。この仮処分命令は、正式な判決が出るまでのあいだ有効となる。

 日本鯨類研究所と共同船舶は、仮処分命令を「歓迎する」との共同声明を発表。一方、シー・シェパード側の代理人は18日、AFPへの電子メールでこの仮処分命令について「非常に残念」であるとし、今後も戦いを続けると表明した。

 ワトソン容疑者は数年にわたり日本の調査船の妨害を続けてきたが、コスタリカのサメ漁をめぐる容疑で今年5月、ドイツで逮捕された。自身にかけられた容疑についてワトソン容疑者は、日本政府の政治的動機に基づいたものであると主張している。

 9回目となるシー・シェパードの今季の妨害活動は「ゼロ容認作戦(Operation Zero Tolerance)」と名付けられ、4隻の船とヘリコプター1機、無人機3機と乗組員100人以上が参加する過去最大規模となっている。船3隻は既に出港しているが、残る1隻についてはその所在について公表されていない。(c)AFP