【12月18日 AFP】フランス中部リヨン(Lyon)の動物園で、結核を患ったため安楽死させられる予定だったゾウ2頭にクリスマスの「恩赦」が与えられた──延命を求める嘆願署名が多数集まったことから17日、市当局が延期を発表したのだ。

 安楽死を免れたのは、仏リヨン(Lyon)のテットドール公園(Parc de la Tete d'Or)内の動物園で飼育されている40代のメスのアジアゾウ、ベイビーとネパール。結核にかかった2頭によって園内の動物たちだけでなく来園者にも感染がおよぶ恐れがあることから、市当局は20日までに安楽死させることを決めた。

 2頭を同動物園に寄贈したサーカス団経営者のジルベール・エデルスタイン(Gilbert Edelstein)さんは、安楽死について知ると、ベイビーとネパールを救う運動をインターネットで展開。ネット上の嘆願書には1万1000人がオンライン署名した。エデルスタインさんは、フランソワ・オランド(Francois Hollande)大統領に「最高位からの介入」を要請する書簡での直訴も試みた。

 こうした努力が功を奏したのかリヨン市当局は17日、薬物注射によるベイビーとネパールの安楽死の延期を発表した。ただし安楽死を中止するのかは不明だという。

 動物園に寄贈した際、2頭はともに健康だったため、結核は他の動物からの感染ではないかとエデルスタインさんはみており、また2頭への治療と返却も動物縁側に求めている。

 ゾウの平均寿命は60~70歳とされる。(c)AFP