【12月14日 AFP】世界最高峰の頂というのはそうそう見間違えるものでもなさそうだが、米航空宇宙局(NASA)は誤認してしまった。インドに聳える山の写真を、中国とネパールの国境にあるエベレスト(Everest)だとして公式サイトに掲載したのだ。

 この写真はロシア人宇宙飛行士のユーリ・マレンチェンコ(Yuri Malenchenko)氏が国際宇宙ステーション(International Space StationISS)に滞在中、地球の370キロメートル上空から撮影したもので、頂上にうっすらと雪をかぶった山頂が写っている。

 写真は瞬く間にマイクロブログのツイッター(Twitter)で広まったほか、米ニュース誌「Atlantic」や天文ウェブサイト「Space.com」、米ニュース専門ケーブルチャンネル「MSNBC」など世界中のメディアに紹介された。

 ところが、エベレストのお膝元ネパールの人びとがこの写真に疑問を抱き、ソーシャルメディアで異議を唱えた。ネパール人ジャーナリストのクンダ・ディクシット(Kunda Dixit)氏も「残念だが、この真ん中に影の落ちた山頂はエベレストではない」とツイートした。

 NASAは13日になって間違いを認め、「エベレスト」としていた写真をウェブサイトから削除した。NASA広報はAFPの取材に対し、写真に写っていた山はインド・カシミール(Kashmir)地方のカラコルム山脈(Karakoram Range)にある山サセール・ムズターグ(Saser Muztagh)だと電子メールで回答した。(c)AFP