【12月10日 MODE PRESS】12月22日から全国順次ロードショーを開始するドキュメンタリー映画『ダイアナ・ヴリーランド 伝説のファッショニスタ』。本作では、ダイアナをあらゆる角度から捉えた貴重な映像と数々の伝説や逸話をこれでもかというほどに盛り込んでいる。生前彼女が残した言葉も、まさに彼女らしいウィットに富んだセンスが光るものばかり。いま聞いても心に響く、そんな深い言葉と伝説の一部を紹介。

■偉業という偉業

 ダイアナ・ヴリーランド(Diana Vreeland)をファッションの女帝とならしめたのは、美と才能を見極める傑出した“目”とそのズバ抜けた創造性だ。ローレン・ハットン(Lauren Hutton)の才能を見抜き、“ミニの女王”と呼ばれたツィギーをロンドンから呼び寄せ、大女優となったローレン・バコール(Lauren Bacall)を無名時代にモデルとして登用し、シンガーとして大ブレイクしたシェール(Cher)を見出し、バーブラ・ストライサンド(Barbra Streisand)をスーパースターに、アンディ・ウォーホール(Andy Warhol)のファクトリー・ガール、イーディ・セジウィック(Edie Sedgwick)を時代のイット・ガールにした。

 20世紀を代表する写真家リチャード・アヴェドン(Richard Avedon)やデヴィッド・ベイリー(David Bailey)の才能を開花させ、「目は旅をするべき」という彼女の編集者としての信念のもとに世界中を背景にしたファンタスティックな写真をカメラに収めた。デビューしたばかりのミック・ジャガー(Michael Jagger)をいち早く誌面に取り上げ、彼のヌードを掲載したのもダイアナだ。あのマノロ・ブラニク(Manolo Blahnik)に「靴のデザインをしてみれば?」と提案したのも、ジャッキー・ケネディ(Jacqueline Kennedy)が夫の大統領就任式に着る服をアドバイスしたのも彼女なら、王冠を賭けた恋として知られる英国のエドワード8世(King Edward VIII)とウォリス・シンプソン(Wallis Simpson)の恋の一夜にナイトガウンを用意したのも彼女なのだ。

■数々の名言

「懐古主義は大嫌い、ペニシリン以前のものはダメ」
「良い人生は1つだけ。自ら望み、自ら創る」
「ブルージーンズはベニスのゴンドラ以来の最高傑作」
「日本人はすごいわ。神は彼らに、石油もダイヤも金も与えなかった、でもスタイルを与えた」
「スタイルこそすべて。まさに生き方。スタイルなしじゃ価値がない」
「真実でも、退屈な話なら結構」
「新しい服を着るだけではダメ。その服でいかに生きるかなの」
「自然体?退屈よ。怠惰の一形態だわ」
「唯一羨ましいのはサーファー、スケートボードもすばらしい。最高よ」

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