【12月10日 AFP】アフリカ連合(AU)の平和維持部隊とソマリア政府軍は9日、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)とつながりを持つイスラム過激派組織アルシャバーブ(Shebab)の支配下にあったジョワル(Jowhar)を奪回したと発表した。ジョワルは首都モガディシオ(Mogadishu)から北に90キロの幹線道路沿いにある。

 アフリカ連合ソマリア・ミッション(African Union Mission in SomaliaAMISOM)の報道官は、アルシャバーブは部隊がジョワルに入る前に撤退していたため、ほとんど交戦することなくジョワルの治安を回復したとAFPに説明した。

 一方、アルシャバーブ側の報道官はAFPの取材に、「戦略的な理由」によってジョワルから撤退したことを認める一方で、撤退に際してアルシャバーブ側に死傷者は出ておらず、現在はジョワルの近郊に集結していると述べた。

 AMISOMの司令官は、ジョワル奪回はソマリアのヒーラーン(Hiraan)、シェベリ(Shabelle)川流域地方の治安改善に向けた大きな成果だと述べたが、アルシャバーブは一見したところソマリア政府の支配下にあると思われる農村地域で依然として活動し、自爆攻撃などのゲリラ攻撃を行っている。

 1991年に当時のモハメド・シアド・バーレ(Mohammed Siad Barre)大統領の追放を機に内戦状態に陥ったソマリアは、以来、有効な中央政府が存在しない状態が続いていた。

 だが今年9月に大統領に選出された学者出身の活動家ハッサン・シェイク・モハムド(Hassan Sheikh Mohamud)氏による政権が誕生し、汚職にまみれた暫定政府による統治に終止符が打たれた。(c)AFP