【12月7日 AFP】中米グアテマラ当局は6日、不法入国の疑いで逮捕した米インターネット・セキュリティー大手マカフィー(McAfee)創業者ジョン・マカフィー(John McAfee)容疑者(67)の亡命申請を拒否し、殺人事件の重要参考人として同容疑者の出頭を求めている隣国ベリーズ当局に身柄を引き渡すと発表した。

 グアテマラ市(Guatemala City)の勾留施設にいたマカフィー容疑者はこの知らせを受けた直後、警察病院に運び込まれた。弁護士の1人によると、軽度の心臓発作に2回襲われたほか、「心臓の問題」や胸の痛みなどを訴えていたという。病院関係者の話では、同容疑者には不安症状と高血圧の兆候がみられたが命にかかわるほどではなく、勾留施設に戻された。

 マカフィー容疑者が重要参考人となっている事件は、ベリーズのアンバーグリス・キー(Ambergris Caye)島にある同容疑者の隣家で先月11日、頭部に口径9ミリの弾丸を撃ち込まれ血まみれとなった住民グレゴリー・フォール(Gregory Faull)さん(52)の遺体が使用人によって発見されたもの。フォールさんは殺害される前、市長に宛てた苦情の手紙で、マカフィー容疑者の「凶暴な」飼い犬や攻撃的な警備員のせいで観光客や住民がおびえているとして、地元当局に対策を求めていた。

 マカフィー容疑者は逃亡する前、飼い犬4匹がフォールさんに「毒を盛られた」としてこの4匹を射殺していた。ベリーズの警察は数週間前、フォールさんの遺体から見つかった弾丸を犬に撃ち込まれたものと照合中だと明かしたが、結果はまだ発表されていない。

 マカフィー容疑者は表向きフォールさん殺害の直接容疑者とされていないが、ベリーズ警察当局の「重要参考人」としての出頭要請は、同容疑者から自供を得るのが狙いとみられる。(c)AFP