【12月6日 AFP】中米ベリーズで起きた殺人事件に絡み逃亡していた米インターネット・セキュリティー大手マカフィー(McAfee)創業者のジョン・マカフィー(John McAfee)氏(67)が5日、隣国グアテマラで不法入国の疑いで身柄を拘束された。マカフィー氏はこれに先立って、グアテマラに政治亡命を申請していることを明らかにしていた。

 マカフィー氏は先月11日、ベリーズのアンバーグリス・キー(Ambergris Caye)島の自宅の隣に住むグレゴリー・フォール(Gregory Faull)さんが殺害された事件の重要参考人として警察に出頭を求められた。だが、マカフィー氏は3週間にわたって逃走を続け、3日までに恋人のサム・バネガス(Sam Vanegas)さん(20)を伴ってグアテマラに入国。4日、グアテマラの首都グアテマラ市(Guatemala City)で報道陣の前に姿を現し、グアテマラ政府に政治亡命を申請していると語った。

 バネガスさんのおじでマカフィー氏の専属弁護士になったグアテマラの元検事総長、テレスフォロ・ゲラ(Telesforo Guerra)氏も翌5日、記者会見でマカフィー氏についてベリーズ政府から「政治迫害」を受けている「迫害と嫌がらせ行為の犠牲者だ」と主張。同氏の身に危険が迫っているため、ベリーズから最も近いグアテマラへの亡命を申請したと説明した。グアテマラのオットー・ペレスモリナ(Otto Perez Molina)大統領への直訴も検討しているという。

 一方、グアテマラ警察当局はAFPの取材に対し、マカフィー氏は正式な手続きを経ずに入国したため拘束され、出入国管理局に身柄を送られたと述べた。今後、審査を経て永住権のあるベリーズに引き渡すか、国籍のある米国に送還するかを決定するという。(c)AFP