【12月5日 AFP】2002年サッカーW杯日韓大会(2002 World Cup)の韓国対イタリア戦で審判を務め、悪評を得た元審判員のバイロン・モレノ(Byron Moreno)氏が4日、ヘロインの密輸により米国で2年間服役した後、刑期短縮により母国エクアドルに送還された。

 2010年9月、モレノ氏は約6キロのヘロインを体にくくり付けてエクアドルからの民間航空機に乗り、到着した米ニューヨーク(New York)のジョン・F・ケネディ国際空港(John F. Kennedy International Airport)で逮捕されていた。モレノ氏は5年間の懲役を科されたものの、模範囚として減刑されていた。

 エクアドルの入国管理当局は4日、43歳のモレノ氏がエクアドル人54名とともに米国から送還されたと発表している。

 W杯日韓大会決勝トーナメント1回戦、韓国対イタリア戦を裁いたモレノ氏は、ダイブをしたとしてイタリアのフランチェスコ・トッティ(Francesco Totti)に対してこの試合2枚目のイエローカードを提示して退場処分とし、議論の余地があるPKを韓国に与えるなどいくつもの疑惑の判定を下してイタリア側を激怒させた。イタリアは延長戦の末敗退を喫した。

 モレノ氏はエクアドル国内リーグの試合で12分間のロスタイムを追加して2002年9月にはエクアドル・サッカー連盟(Ecuadorian Football Federation)から20試合の資格停止処分を受けるなどし、その後審判員から引退していた。(c)AFP