【12月5日 AFP】中国国営新華社(Xinhua)通信は3日、北京(Beijing)の研究チームが、火星と月で野菜を栽培する計画の予備実験を完了したと報じた。

 新華社によると、実験では300立方メートルの室内で野菜4種類が栽培された。これは宇宙でのミッション中に植物や藻から空気と水、食料を供給する「閉鎖生態系生命維持システム(CELSS)」と呼ばれるシステムで、新華社は「月または火星の地球外基地での使用が期待されている」と伝えている。

 中国宇宙飛行士科学研究訓練センター(China Astronaut Research and Training Centre)の研究者によると、実験の参加者は食用の野菜を栽培することに成功。新華社は「地球外基地の中国宇宙飛行士は将来、菜園から新鮮な野菜と酸素を得るようになるかもしれない」と伝えた。今回の実験は中国では初めての試みだという。

■来年には中国初の月探査計画

 長らく宇宙開発をリードしてきた米国がその計画を一部縮小する一方、中国は有人宇宙船計画を加速させてきた。来年には同国初となる探査船の月面着陸を行う予定で、長期的計画として月面有人着陸も目指している。

 中国初の宇宙飛行士、楊利偉(Yang Liwei)氏は先月、中国の宇宙飛行士は宇宙で中国共産党支部を設立するかもしれないと語っている。新華社によると楊氏は「党支部を宇宙に設立すれば、世界で『最も高い場所にある党支部』になるだろうね」と述べた。(c)AFP