【12月4日 AFP】ノルウェーのメッテ・マリット皇太子妃(Crown Princess Mette-Marit、39)が、友人の同性カップルが代理母を通じて授かった双子の赤ちゃんの世話を手伝うため、10月にお忍びでインドを訪問していたことが分かった。ノルウェー王室が3日明らかにした。

 双子の親は、皇太子妃と夫のホーコン・マグヌス皇太子(Crown Prince Haakon)の友人であるノルウェー人男性のカップル。メッテ・マリット皇太子妃は自費でインドのニューデリー(New Delhi)の診療所を訪れ、ビザ発給が遅れた男性カップルが到着するまで赤ちゃんの世話を手伝った。

 皇太子妃は診療所で身分を悟られることはなかった。ノルウェーのメディアによれば、診療所のスタッフは「金髪の女性」は子守だと思っていたという。

 2001年に皇太子と結婚するまで民間人シングルマザーだったメッテ・マリット皇太子妃は、その現代的な生き方で知られる。王室のウェブサイトに掲載されたメッセージの中で皇太子妃は、「人生では時に良い解決法がほとんど、あるいはまったくないような難しい状況だと感じる時があります。そうした状況では、たとえ犠牲を払ってでも難しい選択をしなければなりません」と語った。

 皇太子妃はさらに「代理母によって生まれてくる子供たちについて、社会では重要な議論が行われていますが、私から見れば今回のことはその議論に寄与するものではありません。私にとっては、生まれてきたばかりの2人の子供たち、2人きりだった子供たちの力になることができたからそうしたにすぎないのです」と続けた。

 他のことでは進歩的なノルウェーだが代理出産は違法とされている。同国の警察トップだったオイスタイン・メーレン(Oeystein Maeland)氏は最近、米国の代理母を通じて同性パートナーとの子供を授かっている。(c)AFP