【11月30日 AFP】中国・陝西(Shaanxi)省西安(Xian)の中学校の校庭にある明代(1368~1644)の仏塔が昨年以降、大きく傾き話題となっている。イタリアの観光名所「ピサの斜塔(Leaning Tower of Pisa)」にたとえる声もあるが、学校側は塔が倒壊するのではと懸念を募らせている。

 国営ラジオの中央人民放送(China Radio National)が29日に報じたところによると、明代に建てられた「万寿寺塔(Wanshou Temple Pagoda)」は、2011年5月の暴風雨の後、いきなり傾き始めた。

 地元当局が鉄骨で支えを作ったが、塔のある西光(Xiguang)中学校側は「強風や豪雨にまた見舞われたら、問題が深刻化しかねない」と憂慮し、当局に対策を訴えているという。

 しかし、AFPの取材に匿名で応じた西安市文化財当局の担当者は、塔の状態は現在のところ安定しており、これ以上傾く兆候は見られないと述べた。12月以降に補強修復工事を計画しているというが、「他の部局とも連携する必要があり、課題は山積している」と話している。

 中央人民放送は、「万里の長城(Great Wall of China)や紫禁城(Forbidden City)は誰でも知っているが、中国にも斜塔があることを知っている人はどれだけいるだろうか?」と伝えている。(c)AFP