【11月27日 AFP】オーストラリア軍内部で性的虐待を受けたと多くの人が申し出ていたことを受け、スティーブン・スミス(Stephen Smith)豪国防相は26日、議会で「性的虐待などを受けた国防軍ないし国防省にかかわる人々に国を代表し、謝罪する」と述べた。

 スミス国防相は賠償基金を設立したほか、2011年に外部に委託して行った調査で明らかになった被害の申し立てを個別に判断する独立した特別委員会も設置した。特別委は5万オーストラリアドル(約430万円)を上限とする賠償金を受け取る資格がある人を決定するとともに、個別事案について犯罪としての正式な捜査を警察に委ねることもできる。また、被害者がカウンセリングを含めた医療などのサービスを受ける際の援助も行う。

 国防相は「若い男性と女性が同僚から性的、身体的、精神的虐待を受けた。これは許されないことであり、現代的で多様性のある寛容なオーストラリア社会の価値観を反映していない」、「こうした体験は被害者に、長期間にわたる、深刻な、心に傷を残す悪い影響を与える」と述べた。さらに軍高官に対し、責任ある立場にありながら見て見ぬふりも含めた行為により、信頼を裏切ったと厳しく非難した。

 一連の問題は、2011年のいわゆる「スカイプ(Skype)事件」がきっかけで明るみになった。この事件は、士官学校で若い男子新入生が女生徒と性行為をしている映像が、女生徒の了解を得ずにインターネット上に流され、それを別の部屋にいた生徒が見ていたというもの。

 上述の調査は、男性、女性双方が被害者になったとされる24件のレイプ被害の訴えについて詳述。これを含め、1950年代から現在に至るまで1000件超の性的虐待などについても報告している。(c)AFP/Martin Parry