【11月25日 AFP】12-13フィギュアスケートGPシリーズ第6戦NHK杯(NHK Trophy 2012)は24日、宮城県利府町のセキスイハイムスーパーアリーナで男子シングル・フリースケーティング(FS)が行われ、羽生結弦(Yuzuru Hanyu)が165.71点を記録し、合計261.03点で優勝を果たした。

 宮城出身の羽生は、シーズン最終戦となるNHK杯で大観衆を前に優勝を飾り、東日本大震災で地震と津波の被害にあった地元に歓喜をもたらした。

 前日のショートプログラム(SP)で自らが樹立したSP世界歴代最高得点を更新していた羽生は、2011年3月の震災後は一時的に遺体安置所として使われていた会場で、FSでもトップの得点を記録した。

 17歳の羽生は最初の4回転トーループを成功させたが、続く4回転サルコーは着氷がやや乱れた。その後の3回転、2回転のコンビネーションは見事に決めたものの、3回転ルッツでも転倒があった。

 リッカルド・コッチャンテ(Riccardo Cocciante)氏作曲のミュージカル「ノートルダム・ドゥ・パリ(Notre Dame de Paris)」の楽曲で演技した羽生は、その後持ち直したもののスタミナ切れを起こし、終盤のスピンでもミスが出た。

 本人も思わず苦笑する場面もあったが、羽生はFSでも最高得点を出して自己最高となる合計261.03点をマークし、2011年のロシア杯(Cup of Russia 2011)に続くグランプリシリーズ2勝目を挙げた。

 2010年の世界フィギュアスケート選手権(ISU World Figure Skating Championships 2010)覇者の高橋大輔(Daisuke Takahashi)は、SPで羽生につけられた7.85点の大差を詰めることができず、合計251.51点で2位となった。

 3位には235.37点で米国のロス・マイナー(Ross Miner)が入った。SP3位のスペインのハビエル・フェルナンデス(Javier Fernandez)は4回転に3度挑む珍しいプログラムを組んだものの転倒が続き、4位で表彰台を逃した。(c)AFP/Shigemi Sato