【11月22日 AFP】ボクシングで3階級を制した元世界王者で、銃撃を受けて病院に搬送されたヘクター・カマチョ(Hector "Macho" Camacho)氏(50)について担当医師は21日、「非常に危険」な状態にあると明かした。

 カマチョ氏は20日、母国プエルトリコで銃弾を受け、サンフアン(San Juan)市内のリオピエドラス(Rio Piedras)地区の病院に搬送された。

 翌21日の朝にかけて一時的な心停止があったものの、人工呼吸器などの処置によってカマチョ氏は一命は取り留めている。医師たちは現在、脳死判定を検討しつつ経過をみている。病院の院長は「銃弾によって首に通っている3本の動脈が損傷したため、血液が脳に送り込まれておらず、深い昏睡状態にある」と発表している。

 同日、カマチョ氏の母親、マリア・マティアス(Maria Matias)さんも米ニューヨーク(New York)からプエルトリコに駆けつけた。米スペイン語放送局ユニビジョン(Univision)によると、兄弟や子どもたちもカマチョ氏のもとに向かっており、近親者が集まって延命措置を続けるかどうかを話し合うという。

 事件が発生したのは現地時間の20日の午後7時ごろ。カマチョ氏は走行中の車内におり、酒屋の近くを通った際に別の車にいた人物から銃弾を受けたと地元のサンフアン警察が発表した。

 銃撃により、車を運転していたアルベルト・モヒカ(Alberto Mojica)氏(49)が死亡した。

 犯人がカマチョ氏らを狙っていたのか、無差別に発砲したのかは明らかになっていない。(c)AFP