【11月21日 AFP】英国は20日、シリア反体制派の統一組織「シリア国民連合(National Coalition of Forces of the Syrian Revolution)」を、シリア国民を代表する唯一の組織として承認した。

 ウィリアム・ヘイグ(William Hague)英外相は、シリア国民連合の指導者らとロンドン(London)で会談してシリア国民連合がシリア国内で支持されており、人権も尊重するとの確信を持ったことから承認を決めたと議会で発言した。

 ヘイグ外相は、英国に駐在する代表者を任命するようシリア国民連合に要請し、英国としてシリア国民連合への支援を拡大することも発表した。

 フランスは先週、西側主要国として初めてシリア国民連合を承認した。欧州連合(EU)は19日、シリア国民連合を「シリア国民の希望の正当な代表と見なす」と発表した。

■シリア各地で戦闘続く

 シリア各地では戦闘が続いており、シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)によると、トルコとの国境に近いシリア北部のラス・アルアイン(Ras al-Ain)では武装勢力とクルド人民兵の武力衝突でこの24時間で29人が死亡したという。

 エジプト・カイロ(Cairo)を訪問している国連(UN)の潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長は20日、シリアでの戦闘は制御できない事態になりかねないと述べ、各国にシリア国内の人道支援と、シリアから逃れてきた人たちを保護している近隣諸国への支援を求めた。

 一方、シリアから逃れてきた12万人以上を受け入れているトルコのアフメト・ダウトオール(Ahmet Davutoglu)外相は、シリアとの国境沿いに地対空ミサイルパトリオット(Patriot)を配備するよう北大西洋条約機構(NATO)に近く正式に要請すると述べた。トルコは数か月前から国境付近の防衛を強化していたが、10月にシリアからの砲弾で5人が死亡してからその動きを強めている。(c)AFP