【11月21日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)でのイスラエルとイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)による攻撃の応酬が続くなか、米国のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)国務長官は20日、米国はイスラエルの安全保障を支援すると表明する一方、ガザでの攻撃の応酬の早急な鎮静化を求めた。

 イスラエルによるガザ地区への空爆とイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)によるガザからのロケット弾攻撃では、これまでにパレスチナ人136人、イスラエル人5人が死亡している。だが、停戦に向けた協議の行方は不透明なままだ。

 こうした状況のなか、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相と協議するためイスラエル入りしたクリントン長官は記者会見で、イスラエルの安全保障に対する米国の支援は「岩のように強固で揺るぎないものだ」と述べるとともに、「だからこそ、(ガザ地区における)状況を鎮静化させることが重要だ」と付け加えた。

 一部にはエジプトのムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)大統領の仲介で20日中にも停戦が発表されるとの楽観的な見方も出ていたが、クリントン長官は、「今後数日間、米国はイスラエルや中東地域のパートナーと協議し、イスラエルの平和のための安全強化策、ガザの人々の状況改善、そして最終的には地域の全ての人々にとっての包括的な和平を求めていく」と述べ、自身のヨルダン川西岸(West Bank)のラマラ(Ramallah)訪問とエジプト・カイロ(Cairo)でのモルシ大統領との協議まで停戦発表はないことを示唆した。

 イスラエル軍は20日、軍関係者では最初のガザからのロケット弾による犠牲者を確認。国防省職員1人も死亡した。このほかエルサレム(Jerusalem)のすぐ南にもロケット弾が着弾したが死傷者は出ていない。

 同日ガザでは新たに26人が死亡した。AFPを含め外国メディアが拠点としているガザ市内のビルも、この3日間で3度目の攻撃を受けた。(c)AFP/Steve Weizman