【11月18日 AFP】イタリアの首都ローマ(Rome)市の当局は、市内の著名文化財を汚す鳥のふん害に耐えかね、毎年飛来する100万羽近いムクドリを撃退するため異例の手段を講じている。

 ムクドリは、市内を流れるテベレ川(Tiber River)沿いの堤に植えられた木に集まる傾向がある。日没近い時間になると、白いオーバーオールとマスクを着用した作業員らが、拡声器と光プロジェクターで「武装」して堤を歩き回っている。拡声器でムクドリが危険を知らせる際の鋭い鳴き声を大音量で流し、光プロジェクターで木を照らしてムクドリを追い払う。
 
 同市当局は16日発表の声明で「ムクドリは即座に反応する」と効果を強調。「ムクドリたちは(対策実施)地域からできる限り遠く離れ、安全と判断した場所に移動する」と述べ、この方法は「環境やムクドリを尊重し、住民にも迷惑をかけていない」と付け加えた。

 音と光によるムクドリ撃退策は、期待通りの効果が得られるよう、常に3日連続で夕暮れ時に1時間前後実施されている。

 ローマはムクドリの数がイタリアで最も多く、毎年秋から冬にかけて推計100万羽前後が飛来する。(c)AFP