【11月14日 AFP】中国は13日、新型の軍事用無人機や次世代戦闘機を披露した。国防能力の増強と、軍需産業の顧客獲得を目指している。

 国営メディアによると、民間機と軍用機を製造する中国航空大手、中国航空工業集団(China Aviation Industry CorporationAVIC)は中国南部の珠海(Zhuhai)で開幕した航空ショーで無人機「翼竜(Yi Long)」(英語名Wing Loong)を披露した。

 また、AVICは次世代戦闘機も展示した。中国メディアが「J-31」と呼んでいるステルス戦闘機で、最近になって初めてその存在が公にされた機体だ。

 航空ショーは、中国の次期指導者を決める中国共産党大会が開催される中での開催となった。共産党大会では軍の最高指導機関、中央軍事委員会の新委員も新たに選出される。新指導部は15日に発表される見通し。

■無人機「翼竜」

 香港(Hong Kong)を拠点とする軍事専門家のアンドレイ・チャン(Andrei Chang)氏によると、中国の無人機「翼竜」は、米軍が使用しているジェネラル・アトミックス・エアロノーティカル・システムズ(General Atomics Aeronautical Systems)製の無人機プレデター (Predator)に似ているが、プレデターより大幅に低価格になる見込み。翼竜はすでに輸出が始まっているという。

 香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(South China Morning Post、南華早報)は、翼竜の価格をおよそ100万ドル(約8000万円)と報じている。

■ステルス戦闘機「J-31」は試作機か

 中国共産党の機関紙、人民日報(People's Daily)のウェブサイトによれば、AVICは航空ショーで第4世代戦闘機「J-31」も披露した。ステルス戦闘機のJ-31は先月、初の試験飛行を行っていた。

 だがAVIC幹部は新浪網(Sina)の取材に対し、この機体は「コンセプト機」であり、同機はまだ開発中だと語っている。中国初のステルス戦闘機「J-20」は、2011年初めに公開されたものの、2018年までは配備されない見通しだ。(c)AFP