【11月12日 AFP】中国・北京の人民大会堂(Great Hall of the People)で9日、共産党大会と平行して開かれた党会議の1つで、「従順な」国営メディアの手ぬるい質問に慣れきった高官らが、小学生記者の鋭い質問にやり込められる一幕があった。

 食品安全に関する中国の惨状について質問を投げ掛け、厳格に統制された会議を動揺させたのは、北京市の小学6年生、孫露源(Sun Luyuan)さん(11)だ。

 10代の少年少女向け新聞「中国少年報(Chinese Teenager News)」の記者をしている孫さんは、中国で次々に起こる汚染食品や有害食品にまつわる不祥事や衛生問題が特に生徒たちに影響を及ぼし、健康を害する子どもたちが後を絶たない点を指摘。なぜ中国はそうした違法行為を一掃できないのかと高官たちを問い詰めた。

「私はスナック菓子が好きですが、今はあえて食べようとは思いません。食品をめぐる問題の報道を最近、あまりにもたくさん目にするからです。なぜ、そうした類の食品を買うことができてしまうのでしょうか。多くの小学生、中学生が給食を食べています。食品の安全性について、皆さんはどのように私たちを安心させることができますか」

 国営中国新聞社(China News Service)によれば、この会議の議長を務めていた馬凱(Ma Kai)国務委員兼国務院秘書長が孫さんの質問を袁貴仁(Yuan Guiren)教育相に振ったが、袁氏は「この問題には対処しているところで、必ずや適切な安全措置を施す」という何年も言い古された政府答弁を繰り返しただけだった。(c)AFP