【11月11日 AFP】英国放送協会(BBC)のジョージ・エントウィスル(George Entwistle)会長(50)が10日、報道番組の誤報の責任を取り、就任からわずか2か月で辞任した。

 同社の看板報道番組「ニューズナイト(Newsnight)」は先週の放送で、保守党の上級議員が1970年代にウェールズ(Welsh)の児童福祉施設で児童に性的虐待を行っていた疑惑を伝えたものの、これが誤報であったとして、前日の放送で謝罪を余儀なくされた。
 
 エントウィスル会長は、先週の放送前に同番組の内容を承知していなかったものの、編集主任を兼任する立場から同社の番組内容に最終責任を負っているため、辞任は「誠実な対応」だと述べた。

 会長はこれに先立ち、施設で議員に繰り返し虐待を受けたとする男性の主張を放送したのは「根本的に誤り」だったと発言した。番組はこの議員の氏名に言及しなかったものの、インターネット上では保守党の元財務担当者でサッチャー元首相の側近だったアリステア・マカルパイン(Alistair McAlpine)氏だとのうわさが広がった。

 マカルパイン氏は9日に疑惑を強く否定。その数時間後には番組に登場した男性が主張を撤回し、自身を虐待した人物はマカルパイン氏ではないと釈明した。(c)AFP/Katy Lee