<senken h 128>日本が誇るテキスタイル産地・福井/12月には招待ツアーを開催
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【11月7日 senken h】福井県は日本最大にして、世界のブランドを支えるテキスタイル(繊維織物)の発信地なのを知っていますか。ここでしか作れない最高峰の技術や最先端のワザ、今や他にはない伝統技法まで揃える一大ファッション産地が実は福井。そんな福井のテキスタイルの真髄をリポート。
■世界にここだけ、最先端、伝統技法、その魅力へいざ!
ある時はラグジュアリーブランドやパリコレデザイナーたちのために独創的な生地を作り、一目置かれるファッショントレンドの立役者。はたまた人気ファストファッションやスポーツブランドの高機能素材も当たり前。紅茶のティーバッグ、車のエアバック、建築や工業用資材のシートまで。世界中のブランドに生地を提供する企画力と実用性を持つ福井テキスタイル。そんな福井の素材と開発力を今回は3つのポイントにフォーカスしてナビゲート。これを機にぜひ、福井の素材企画力に注目してほしい。最後には福井テキスタイルの魅力を体験する招待ツアーの募集もあるので要チェックを。
□ポイント1/世界中でここにしかないものづくり
熟練の職人による世界最高のビロード(ベルベット)/山﨑ビロード
世界中のどこにもないもの、「絶対に無理」と言われていた素材作りをやってのける職人魂で、世界のファッションブランドを支えるのが福井県のテキスタイルだ。その代表メーカーが山﨑ビロード。ベルベット(ポルトガル語でビロード)の常識を覆し、MOMA(ニューヨーク近代美術館)に展示されるほどの歴史的マスターピースがここから生まれている。
ベルベットと言えば、繊細な毛足の長い生地、秋冬に向くふっくらとした質感、それがオーソドックな印象。でも山﨑ビロードは、麻で作る世界初のリネンベルベッドやまるでガーゼのように透けるほど薄いタイプなど、どんなシーズンにも、スタイルにも着られるまったく新しいベルベッドの可能性を切り開き続ける。
生地の織機1台を1人の職人が担当。熟練の職人が生地に合わせて機械をその都度改良し世界唯一のベルベットを作り出す。そのオリジナリティー、熟練の技と未開の生地をめざすそのスピリットを頼って、今では世界中のコレクションブランドがここへ集う。
□ポイント2/日本伝統の技
明治から変わらぬシルク生地、現代に息づく歴史的テキスタイル/東野東吉織物
福井県のテキスタイル作りの始まりは奈良時代、都に美しいきもの生地を収める産地だったこと。その伝統を物語る絹織物(シルク生地)もまた福井の特徴のひとつ。東野東吉織物は1907年の創業以来、今も変わらず福井が誇る日本のシルク生地を作り続ける。
住宅街の一角に溶け込んだ工場。このメーカーがこだわるのは、ビンテージのデニムを織る際にも使われるゆっくりと生地を織り上げるフライシャトル織機。それらがカシャン、カシャンと穏やかなリズムを鳴らす。
中に入ると驚くのは、織機を動かす動力が戦前のディーゼルエンジンのままなこと。エンジンの回転がベルトを経由して工場の全織機に伝わる。電気で動かすよりも緩やかに動力を伝えられるので、繊細なシルク生地を作れる。また滑らかな生地を作るため、シルクの糸を水で浸す福井の歴史的技法「ぬれよこ」を今も守る。日本最大の産地だからこそ残った誇りと伝統がここにはある。
□ポイント3/最先端素材
世界最先端の素材開発、あのダウンもブルゾンもコートも!? 最先端のテクノロジー
最後は福井のテキスタイルの中でももっとも大きな特長の「最先端技術」。福井テキスタイルは、合繊(合成繊維)生地で国内最大の生産量を持ち、ナイロンブルゾンやトレンチコート、バッグなどの表生地、中わたなどで、多くのヒット商品、誰もが知るブランドの看板商品の素材となっている。それを支えるのは航空機などにも採用されるほどのテクノロジーだ。
もともとシルク織物の産地だった福井は戦後、最先端の合繊の開発へチャレンジして、ファッション、スポーツ、自動車、建築、医療、機械部品にまでジャンルを進化させた。その歴史と開発力、経験から生まれる最先端テクニックこそが今の福井の最大のポイントだ。
ティーバッグから航空機まで。何でも作れる企画力と技術力があるからこそ福井テキスタイルは、時代やブランドのコンセプトに合った素材を提供できる力がある。
□コメント/福井県織物工業組合・荒井由泰理事長「ぜひ、福井のチカラを見てください」
福井テキスタイルの最大の特徴は、生地を織るだけでなく、糸作りや加工・染色まで含めて企画・開発をしてきた歴史と技術です。スポーツ分野やその他の先端分野に使われる織物はその象徴。こうした技術と生産キャパシティーが国内産でしっかり残っているのが福井の希少性です。受けた注文をこなすだけではなく、こんなものがあれば良いとこちら側から提案していく生地作りを常にめざしています。
■福井テキスタイル工場見学ツアーにご招待
日本のものづくり、福井のテキスタイルに興味を持ったあなたに朗報。12月6、7日の2日間にわたって福井県織物工業組合が旅費負担で実施する工業見学ツアーに『アッシュ』の読者40人を招待。
福井のテキスタイルが一同に会した展示会、普段なかなか見ることができない世界の一流ブランドの製品を作るテキスタイル工場を実際に見て、学べる1泊2日の旅だ。応募締切は11月11日。詳細・応募方法はウェブで。
[ツアー内容]
12月6日(木)/午後・JR福井駅⇒展示会で福井テキスタイルの歴史と各メーカーの特徴を解説⇒懇親会⇒宿泊
12月7日(金)/午前・工場見学ツアー⇒午後・希望者は染色工場見学および福井観光ご案内⇒JR福井駅
(c)senken h
【関連情報】
<福井県織物工業組合<外部サイト>
■世界にここだけ、最先端、伝統技法、その魅力へいざ!
ある時はラグジュアリーブランドやパリコレデザイナーたちのために独創的な生地を作り、一目置かれるファッショントレンドの立役者。はたまた人気ファストファッションやスポーツブランドの高機能素材も当たり前。紅茶のティーバッグ、車のエアバック、建築や工業用資材のシートまで。世界中のブランドに生地を提供する企画力と実用性を持つ福井テキスタイル。そんな福井の素材と開発力を今回は3つのポイントにフォーカスしてナビゲート。これを機にぜひ、福井の素材企画力に注目してほしい。最後には福井テキスタイルの魅力を体験する招待ツアーの募集もあるので要チェックを。
□ポイント1/世界中でここにしかないものづくり
熟練の職人による世界最高のビロード(ベルベット)/山﨑ビロード
世界中のどこにもないもの、「絶対に無理」と言われていた素材作りをやってのける職人魂で、世界のファッションブランドを支えるのが福井県のテキスタイルだ。その代表メーカーが山﨑ビロード。ベルベット(ポルトガル語でビロード)の常識を覆し、MOMA(ニューヨーク近代美術館)に展示されるほどの歴史的マスターピースがここから生まれている。
ベルベットと言えば、繊細な毛足の長い生地、秋冬に向くふっくらとした質感、それがオーソドックな印象。でも山﨑ビロードは、麻で作る世界初のリネンベルベッドやまるでガーゼのように透けるほど薄いタイプなど、どんなシーズンにも、スタイルにも着られるまったく新しいベルベッドの可能性を切り開き続ける。
生地の織機1台を1人の職人が担当。熟練の職人が生地に合わせて機械をその都度改良し世界唯一のベルベットを作り出す。そのオリジナリティー、熟練の技と未開の生地をめざすそのスピリットを頼って、今では世界中のコレクションブランドがここへ集う。
□ポイント2/日本伝統の技
明治から変わらぬシルク生地、現代に息づく歴史的テキスタイル/東野東吉織物
福井県のテキスタイル作りの始まりは奈良時代、都に美しいきもの生地を収める産地だったこと。その伝統を物語る絹織物(シルク生地)もまた福井の特徴のひとつ。東野東吉織物は1907年の創業以来、今も変わらず福井が誇る日本のシルク生地を作り続ける。
住宅街の一角に溶け込んだ工場。このメーカーがこだわるのは、ビンテージのデニムを織る際にも使われるゆっくりと生地を織り上げるフライシャトル織機。それらがカシャン、カシャンと穏やかなリズムを鳴らす。
中に入ると驚くのは、織機を動かす動力が戦前のディーゼルエンジンのままなこと。エンジンの回転がベルトを経由して工場の全織機に伝わる。電気で動かすよりも緩やかに動力を伝えられるので、繊細なシルク生地を作れる。また滑らかな生地を作るため、シルクの糸を水で浸す福井の歴史的技法「ぬれよこ」を今も守る。日本最大の産地だからこそ残った誇りと伝統がここにはある。
□ポイント3/最先端素材
世界最先端の素材開発、あのダウンもブルゾンもコートも!? 最先端のテクノロジー
最後は福井のテキスタイルの中でももっとも大きな特長の「最先端技術」。福井テキスタイルは、合繊(合成繊維)生地で国内最大の生産量を持ち、ナイロンブルゾンやトレンチコート、バッグなどの表生地、中わたなどで、多くのヒット商品、誰もが知るブランドの看板商品の素材となっている。それを支えるのは航空機などにも採用されるほどのテクノロジーだ。
もともとシルク織物の産地だった福井は戦後、最先端の合繊の開発へチャレンジして、ファッション、スポーツ、自動車、建築、医療、機械部品にまでジャンルを進化させた。その歴史と開発力、経験から生まれる最先端テクニックこそが今の福井の最大のポイントだ。
ティーバッグから航空機まで。何でも作れる企画力と技術力があるからこそ福井テキスタイルは、時代やブランドのコンセプトに合った素材を提供できる力がある。
□コメント/福井県織物工業組合・荒井由泰理事長「ぜひ、福井のチカラを見てください」
福井テキスタイルの最大の特徴は、生地を織るだけでなく、糸作りや加工・染色まで含めて企画・開発をしてきた歴史と技術です。スポーツ分野やその他の先端分野に使われる織物はその象徴。こうした技術と生産キャパシティーが国内産でしっかり残っているのが福井の希少性です。受けた注文をこなすだけではなく、こんなものがあれば良いとこちら側から提案していく生地作りを常にめざしています。
■福井テキスタイル工場見学ツアーにご招待
日本のものづくり、福井のテキスタイルに興味を持ったあなたに朗報。12月6、7日の2日間にわたって福井県織物工業組合が旅費負担で実施する工業見学ツアーに『アッシュ』の読者40人を招待。
福井のテキスタイルが一同に会した展示会、普段なかなか見ることができない世界の一流ブランドの製品を作るテキスタイル工場を実際に見て、学べる1泊2日の旅だ。応募締切は11月11日。詳細・応募方法はウェブで。
[ツアー内容]
12月6日(木)/午後・JR福井駅⇒展示会で福井テキスタイルの歴史と各メーカーの特徴を解説⇒懇親会⇒宿泊
12月7日(金)/午前・工場見学ツアー⇒午後・希望者は染色工場見学および福井観光ご案内⇒JR福井駅
(c)senken h
【関連情報】
<福井県織物工業組合<外部サイト>