【11月5日 AFP】国連(UN)のオリビエ・デシューター(Olivier De Schutter)特別報告者(食料問題担当)は10月30日、海洋での大量漁獲について「強奪行為」であるとし、環境問題や地元利益への配慮が欠けていると強く批判した。

 デシューター氏は産業規模で行われている遠洋トロール漁により、小規模漁業に従事している人々やローカルコミュニティー、さらには持続可能な漁業も脅かされていると厳しい口調で指摘。「水産資源が枯渇した時、つけを払うことになるのは未来の世代だ」と述べた。

 同氏はAFPに対し、水産資源の枯渇を防ぐために漁船の数を大幅に減らすべきだとの考えを表明。「漁獲能力を半減する必要がある。解決方法はこれしかない」と強調した上で、養殖が深海の底引き網漁に取って代わるべきと述べた。

「海洋強奪」について同氏は、小規模漁業従事者に打撃を与える漁業協定や密漁、保護海域への侵入、地元住民に帰属する水産資源を分断するといった形式で進行していると説明。農地が欧州や中東、中国の企業によって大規模に買収もしくはリースされる、いわゆる「土地強奪」と同様に深刻な脅威になり得るとした。
 
 同氏はまた、世界の水産業界に関する新たなリポートを公表した際に、「水産資源が減りつつある中、業界は規制や(水産資源の)保護戦略を回避する方向に傾いている。持続不可能な漁業から海を取り戻すために早急に取り組まなければ、何百万人分の食料を確保する上で漁業が重要な役割を果たすことは不可能になる」と述べた。(c)AFP