【11月1日 AFP】類人猿ともなれば、サルでも人間と同様にセックスにはプライバシーを求めるようだ。専門誌「Behavioral Ecology and Sociobiology(行動生態学・社会生物学)」によると、オランダにある欧州霊長類研究所(Biomedical Primate Research Centre)が行った実験の結果、オナガザルは仲間のサルが見ている場所では発情しないことが分かった。

 研究所は実験で一定の場所にメス15匹、オス7匹のオナガザルを放し、4か月にわたって観察した。このエリア内には、オナガザルのカップルが愛を交わすには完璧と思われる環境を整えた。人間のカップル向けならば、バリー・ホワイト(Barry White、米ソウル歌手)の甘いBGMを流し、ベッドにはサテンのシーツ、天井は鏡張りにするといったところだが、オナガザルの場合は、求愛行動を促すためのタイヤやハシゴを用意し、「ベッド」にはおがくずを敷くといった具合だ。さらに、行為のあとのクールダウン用にプールも準備。消耗したエネルギーを補充するためのフルーツもそろえた。

 しかし、オナガザルのカップルが最も必要としたのは、他のサルたち、特にボスザルに邪魔されない静かな場所だった。

 研究所によると、「ボス以外のオスザルたちとメスは、性行動を仲間には見せないことで、仲間からの嫌がらせを避けようとしている」ようだ。また、頻繁ではないが嫌がらせによってケガをしたり、交尾が達成できない場合もあるという。(c)AFP