【10月24日 AFP】カタールのハマド・ビン・ハリファ・サーニ(Hamad bin Khalifa Al-Thani)首長は23日、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を訪問した。イスラム原理主義組織ハマス(Hamas)がガザ地区を制圧した2007年以降、外国の国家元首がガザ地区を訪問したのは初めて。

 欧米各国はファタハ(Fatah)のマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長率いるパレスチナ自治政府を支援し、ハマスによるガザ地区統治の正当性を認めていない。このためハマスはハマド首長のガザ訪問を外交的勝利と受け止めている。ハマド首長は対立を続けるハマスとファタハの双方に、いさかいをやめて和解するように呼びかけた。

■カタール、ガザ地区の住宅プロジェクトに320億円

 天然ガス収入で潤うカタールは前月、2008年12月末から22日間続いたイスラエルによる空爆で大きな被害を受けたガザの再建プロジェクトに2億5400万ドル(約203億円)の資金を出すと発表していた。

 だが、ハマド首長とともにガザ地区南部ハンユニス(Khan Yunis)で、カタールによる住宅建設プロジェクトの着工式に出席したハマス政権のイスマイル・ハニヤ(Ismail Haniya)首相は、ハマド首長が拠出金の増加を表明したため、プロジェクト予算は当初の2億5400万ドルから4億ドル(約320億円)に引き上げられ建築住宅数を当初の1000戸から3000戸に増やすことができたと発表。首長も自身の名を冠した同プロジェクト現場に礎石を置いた。

■パレスチナ自治政府、イスラエルは訪問に反発

 一方、アッバス議長は21日、カタールのガザへの資金拠出を歓迎しつつも、「パレスチナ地区の統一を維持することが大事だ」とする声明を発表していた。パレスチナ自治政府は、ガザ地区のハマス政権を承認するいかなる外交的な動きも、ファタハとハマスの亀裂を拡げるだけだとして反対しており、アッバス議長の声明はハマド首長のガザ地区訪問を遠回しに批判したものとみられている。

 パレスチナ解放機構(PLO)執行委員会は22日、パレスチナ地区の分断はイスラエルを利するだけだとして、この分断を終わらせるためにあらゆる努力を払ってほしいとアラブ諸国に訴えた。

 イスラエルも、ハマド首長のガザ訪問はカタールがパレスチナ自治政府よりもハマスを支持していることを意味するものだと批判している。(c)AFP/Mai Yaghi