【10月1日 AFP】米国と欧州による男子ゴルフの対抗戦、第39回ライダーカップ(The 39th Ryder Cup)は30日、米イリノイ(Illinois)州メディナ(Medinah)のメディナCC(Medinah Country Club)で最終日が行われ、欧州選抜が14.5-13.5で米国選抜を逆転し、2大会連続の優勝を飾った。

 欧州選抜は大会史上かつてない逆転劇で米国選抜を破り、連覇を達成した。

 6-10と米国選抜にリードを許して最終日を迎えたホセ・マリア・オラサバル(Jose Maria Olazabal)主将率いる欧州選抜は、最初の5試合で全て勝利すると、第11試合でマルティン・カイマー(Martin Kaymer、ドイツ)がスティーブ・ストリッカー(Steve Stricker)を1アップで下し、逆転した。

 米サウスカロライナ(South Carolina)州キアワ島(Kiawah Island)で行われた21年前の1991年大会では同じドイツ出身のベルンハルト・ランガー(Bernhard Langer)が約2メートルのパットを外して優勝を逃していたが、カイマーは同じ距離のパットをしっかり沈めた。

 両チーム同点で迎えた第11試合、カイマーが17番ホールで重圧のかかる約2メートルのパットを沈めてストリッカーを破り、連覇に必要な14ポイントを手にすると、最終戦の第12試合では、17番ホールまで1アップでリードしていた米国選抜のタイガー・ウッズ(Tiger Woods)が最終18番ホールで1.2メートルのパットを外して引き分けたため、最終スコア14.5-13.5で欧州選抜が優勝を手にした。

 10-6とリードして最終日のシングルスを迎えた米国選抜は、優勝に必要なわずか4.5ポイントを獲得することができず、ケンタッキー(Kentucky)州ヴァルハラ(Valhalla)で行われた2008年大会以来となる、最近10年で2度目のライダーカップ制覇はならなかった。

 1927年に初開催されたこの大会で欧州選抜が6-10から逆転した例は過去になく、2点以上のリードを持って最終日を迎えた米国選抜が敗れたことも、史上初めてとなった。
 
 欧州選抜のオラサバル主将は感情を抑えきれない様子で、2011年に脳腫瘍でこの世を去り、自身の親友でありライダーカップではパートナーでもあったセベ・バレステロス(Severiano Ballesteros)氏への言葉を口にした。

「セベはいつもこのチームとともにある。我々にとってセベはこの大会の大きな要素だった。昨晩ミーティングを開いたが、選手たちはそこで信じることが最も大切だと理解してくれたと思うし、今日は全員がそれを実行してくれたと思っている」

(c)AFP/Allan Kelly