【9月25日 AFP】米国の肥満人口が急増している背景に炭酸飲料やフルーツ飲料があることを改めて確認したとする論文3本が、前週末の米医学誌「ニューイングランド医学ジャーナル(New England Journal of Medicine)」電子版に掲載された。

 1本目の論文によると米国では、炭酸・フルーツ飲料といったいわゆる砂糖入り飲料の消費が1970年代と比べて2倍以上伸びた。この間、成人の肥満人口も増加し、全米の30%を占めるまでになったという。

 米国人男女3万3000人以上を対象に行われたこの研究では、体重に影響を及ぼすことが分かっている32の遺伝子変異を用いて被験者の遺伝子プロファイルを作成。さらに、被験者の食生活や砂糖入り飲料の消費量、運動の習慣などについても分析した。その結果、砂糖入り飲料を飲むと体重を調整する遺伝子が影響を受け、体重が増えやすい体質になる傾向が示されたという。

 一方、他2本の論文では、未成年者にミネラルウォーターや人工甘味料を使用したソフトドリンクなどの低カロリー飲料を与えると、砂糖入り飲料を飲んだ場合と比較して体重が増えにくいとの結果が出た。

 米エール大学(Yale University)のソニア・カプリオ(Sonia Caprio)氏は、これらの結果について「総合すると、砂糖入り飲料に含まれるカロリーが(肥満の)原因だと考えられる」と指摘。子どもの肥満対策として、低価格かつ大きな容器で提供される砂糖入り飲料の摂取量に当局が制限を課す動きを加速させるだろうとの見方を示した。(c)AFP