【9月13日 AFP】ブラジルの大統領官邸に、ジルマ・ルセフ(Dilma Rousseff)大統領の「夫」を名乗る女が現れ、中に入ろうとして警護官と取っ組み合いになる騒ぎがあった。官邸警備隊が11日、AFPの取材に事実関係を認めた。

 地元紙コレイオ・ブラジリエンセ(Correio Braziliense)によると、短髪で男装した女(29)が大統領官邸の門前に現れたのは前月29日夜。中に入ろうとしたため、警護官が立ち退くよう警告し、地面に向けて威嚇射撃したという。

 だが女はあきらめず、警護官と地面に転がって殴り合う事態に発展。警備員らが援軍に駆けつけ、ようやく女を取り押さえた。拘束された女は泣きながら「ジルマに結婚を申し込みに来た。わたしは彼女の夫だ」「泣いているのは殴られたからじゃない。(ルセフ大統領を)愛しているからだ」などと話したという。

 2011年1月にルセフ氏が女性として初めてブラジル大統領に就任して以来、大統領官邸内に押し入ろうとした人物は6人目。ルセフ大統領宛ての手紙を持った男が、大統領に会わせなければ死ぬと騒いだ事件もあったが、暴力沙汰にはならずに解決している。(c)AFP