【9月13日 AFP】パキスタンで11日起きた2件の工場火災による死者は、12日までに合わせて310人となった。死者数はまだ増える恐れがある。同国史上前例のない規模の労働災害に、安全基準の根本的見直しを求める声が高まっている。

 これまでに、シンド(Sindh)州の州都でパキスタン最大の都市カラチ(Karachi)の衣料品工場では289人、インド国境に近いラホール(Lahore)の靴工場では21人の死亡が確認された。

 4階建てのカラチの衣料品工場では11日夜の出火当時、数百人が勤務中で、炎から逃げようとした労働者らが駆けつけた親族たちの目の前で窓から飛び降りる場面もあった。カラチの消防当局によると、被災した工場内は停電している上、鎮火のため放水した水が熱湯と化して地下室にたまっていて、遺体の収容は容易ではないという。

 パキスタンのレーマン・マリク(Rehman Malik)内相は、2件の火災について調査を命じたことを明らかにした。当局によるとカラチの工場は特に防火体制が劣悪で、非常口も設置されていなかったという。(c)AFP/Hasan Mansoor