【9月12日 AFP】7月後半に発生した在郷軍人病(レジオネラ肺炎)が拡大しているカナダ・ケベックシティー(Quebec City)の保健当局は11日、同日までに176人の発症を確認し、うち12人が死亡したと発表した。

 在郷軍人病の原因となるレジオネラ菌は流れのない水中で増殖し、空調機器などから排出される水の飛沫(ひまつ)を吸い込むことで感染する。当局では空調設備のメンテナンスが不十分だったことが感染拡大の原因だとみている。

 潜伏期間は2~10日間で、発症すると高熱のほか、痰(たん)を伴わない空咳(からせき)や肺炎といった症状を引き起こす。抗生物質で治療可能だが、免疫機能が弱っている人が感染すると死亡する場合もある。

 在郷軍人病は1976年に米国で開かれた米国在郷軍人会(American Legion)の集会で集団感染が起きたことで発見された。当時この感染により29人が死亡した。(c)AFP