【9月12日 Relaxnews】世界で最も知名度のあるアジア人俳優の1人、トニー・レオン(Tony Leung)が、黒沢清(Kiyoshi Kurosawa)監督の新作『一九〇五(1905)』で若手俳優の松田翔太(Shota Matsuda)や元AKB48の前田敦子(Atsuko Maeda)と共演することが決まった。レオンにとって邦画出演は今作が初めて。

 香港のテレビ界で俳優としてのキャリアをスタートさせたレオンは、その後アジアを代表する数々の名作に出演。ウォン・カーウァイ(Wong Kar Wai)監督の『花様年華(In the Mood for Love)』では、2000年カンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)の主演男優賞を受賞した。

『一九〇五』は中国と横浜を舞台にしたドラマで、黒沢清作品としては初めて撮影のほとんどが海外で行われる他、台詞の9割は広東語、残る1割が日本語になるという。

 レオンは10日に行われたウェブサイト「スクリーン・デーリー(Screen Daily)」とのインタビューで、「黒沢清監督と数年前に合ったとき、何か共通したものを感じました。彼の作品はずっと敬愛していたので、一緒に仕事ができることになりワクワクしています。この作品は、私にとって全く新しい経験になるはずで、とても楽しみです」と語った。

『一九〇五』でレオンが演じるのは、中国人革命家グループから借金を取り立てるために中国から横浜へと向かう高利貸しで、松田が演じるのは、同じ革命家らを追う国粋主義者の日本人だ。旅の途中で2人は出会う。前田敦子演じる女性とのロマンスも描かれるという。

 11月に台湾でクランクインし、来年1月にクランクアップの予定。台湾のセットには100年前の横浜が再現される。公開は2013年秋の予定で、松竹(Shochiku)とプレノンアッシュ(Prenom H)が共同配給する。東京に本社を置くプレノンアッシュはウォン・カーウァイ監督の『ブエノスアイレス(Happy Together)』の配給にも関わっている。(c)Relaxnews/AFPBB News