【9月4日 AFP】メキシコ・メキシコ市(Mexico City)の北郊で掘削作業を行っていた建設作業員らにより、マンモスやマストドン、グリプトドンといった氷河期時代の動物の骨、数百本が掘り起こされた。メキシコ国立人類学歴史学研究所(INAH)が8月30日発表した。

 化石が見つかったのは、イダルゴ(Hidalgo)州の町アトトニルコデトゥーラ(Atotonilco de Tula)にある下水処理場の建設現場。1万2000~1万年前の更新世末期のものとみらる化石が地表から20メートル付近で発掘され、同時期の人類の歯と思われる化石も1点見つかったという。

 見つかった牙、頭骨、顎骨(がっこつ)、角、肋骨(ろっこつ)、椎骨、甲羅などは、マストドン、マンモス、ラクダ、ウマ、シカ、バイソン、そしてアルマジロの祖先であるグリプトドンなど、さまざまな動物の骨とみられている。中にはまだ種の特定できていない骨もあるという。

 骨の発掘作業は5か月にわたり考古学者らによって進められた。考古学者のアリシア・ボンフィル・オリベラ(Alicia Bonfil Olivera)氏は声明の中で、今回の発見は「メキシコ盆地でこれまで見つかった絶滅大型動物の化石群の中でも最大かつ最も多様なもの」と述べている。

 また同時に見つかった歯について、人類のものと断定するには人類学者の鑑定を待つ必要があるが、「メキシコ中部ではこの時代、既に人類が暮らしていたことが分かっているため、(歯が人類のものだったとしても)不思議ではない」と述べた。(c)AFP