【8月30日 AFP】(一部修正)フランス・アルプス(Alps)山脈にある西欧最高峰モンブラン(Mont Blanc)で、1966年1月のエア・インディア(Air India)機墜落事故の現場近くからインド政府の外交行嚢(のう、外交通信文書を入れる袋)が発見され、46年を経て目的地へと配達されるべく準備が行われている。

 山岳救助隊員のアルノー・クリストマン(Arnaud Christmann)さんとその隣人ジュール・ベルジェ(Jules Berger)さんが今月21日、「外交郵便」や「外務省」の印が押された麻袋を発見した。

 29日にAFPの取材に応じたクリストマンさんによれば、数人の登山客から「ボソン(Bossons)氷河で何かが光っているのを見た」との報告があったため、ベルジェさんと共に調べに行ったという。

「キャビンの残骸や靴の片方、ケーブル――残骸が山ほど見つかったよ!」(クリストマンさん)

 さらに2人は飛行機の車輪を発見。そして20メートルほど先に進んだところで、外交行嚢(のう)が「ついさっき誰かが置いたばかりのように」地面の上にあるのを見つけた。

 クリストマンさんは冗談交じりに、「ダイヤモンドとか、そうでなければ金塊の1つや2つでも見つからないかと期待していたんだけれど――。その代わりに、ぐしょぐしょに濡れた郵便物とインドの新聞を見つけた」と語った。

 エア・インディアのボーイング(Boeing)707型機「カンチェンジュンガ(Kangchenjunga)号」は1966年1月24日、モンブランの南西斜面に墜落し、乗客乗員117人全員が死亡した。ボンベイ(Bombay、現ムンバイ Mumbai)からニューヨーク(New York)に向かっていた同機は墜落時、経由地として予定されていたスイス・ジュネーブ(Geneva)の空港に向けて降下中だった。

 同地域では2008年9月、登山家として知られるダニエル・ロシュ(Daniel Roche)氏が1966年1月23日付のインド紙を発見している。ロシュ氏はまた、1950年にほぼ同じ場所で墜落したエア・インディアの別の航空機「マラバル・プリンセス(Malabar Princess)号」のエンジンの一部も発見している。(c)AFP