【8月22日 AFP】キューバから米フロリダ(Florida)州までを泳いで横断する記録に挑戦していたベテラン米国人水泳選手のダイアナ・ニヤド(Diana Nyad)さん(62)が21日、遠泳を中止した。ニヤドさんは、雷雨やクラゲの大群の中、2日間にわたって奮闘していた。

 ニヤドさんは18日、キューバのハバナ(Havana)から遠泳をスタート。フロリダ海峡(Florida Straits)103マイル(約166キロ)をサメ避けのおりを使わずに泳いで横断するという史上初めての記録に挑戦していた。

 だがスタッフは21日未明、雷雨の中でニヤドさんとニヤドさんに同行するサメ専門のダイバーたちの身に危険が及んでいると判断し、ニヤドさんを船上に引き上げた。断念の決断は、現地時間午前7時42分(日本時間同日午後8時42分)に下されたという。

「極度に困難な」メキシコ湾流(Gulf Stream)に巻き込まれてニヤドさんが遠泳を断念したのは、目標地点まで残り50マイル(80キロ)の地点だった。

「ダイアナ(・ニヤドさん)は非常に危険な偉業に62時間を費やしたばかりの人物にふさわしい程度には元気だ」と、遠泳計画責任者のマーク・ソリンジャー(Mark Sollinger)氏は米CNNテレビに語った。ソリンジャー氏によると、ニヤドさんの顔はクラゲに刺されて腫れ、医療チームが、極度に疲労したニヤドさんの体調を監視した。

 22日に63歳になるニヤドさんの挑戦は今回で4回目。初挑戦はニヤドさんが28歳だった1978年で、昨年8月に2回目の挑戦をしたものの、肩の痛みとぜんそく、海流により途中で断念した。3回目の挑戦は昨年9月だった。

 ニヤドさんが再度挑戦するかどうかは、まだ明らかになっていない。(c)AFP