お手本はタコやイカ、擬態するロボットを開発 米国防総省も後援
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【8月17日 AFP】(一部更新)米国防総省などが後援するハーバード大(Harvard University)の科学者らによるチームは16日、周囲の環境に応じて擬態でき、イカやタコがはうように動くシリコーンベースの「ソフトな」ロボットを開発したと発表した。
タコやイカをヒントに設計された全長13センチの4本足ロボットは、半透明のポリマーでできたいわゆる「ソフトマシーン」と呼ばれるロボットの最新型。軍事利用が可能な革新的技術の研究を支援する米国防総省の国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency、DARPA)と米エネルギー省が出資して開発した。
周囲の環境に応じて保護色で自らをカモフラージュしたり、逆に目立たせたりすることができる。ボディに特殊シリコーン製の極薄シートが組み込まれており、シートに開いた極小の流路「マイクロチャンネル」を通って色付きの液体が噴出されると、ロボットの「皮膚」の色や模様が変化する仕組みだ。この液体の温度を調整してロボットの「体温」を周囲の温度と同じにすれば、赤外線カメラから身を隠すことも可能。
放射状にX型に伸びる4本の足は、圧縮空気を使って子供のおもちゃのように収縮し、左右に揺れながら前進する。
ハーバード大の化学生物学者、スティーブン・モーリン(Stephen Morin)氏は、タコやイカを参考にした理由について「これらの生物の素晴らしい特徴は、外見を自由に変えることができる点だ」と説明。「今回使った開口式のマイクロチャンネルのような単純なシステムでも、物体をカモフラージュしたり、目立たせたりする能力はかなり再現できる」とプレスリリースで述べている。
この研究の論文は米科学誌サイエンス(Science)に掲載されている。(c)AFP