【8月17日 AFP】スペイン1部リーグの12-13シーズンは18日に開幕を迎えるが、他のチームがどれだけ対抗しようとも、優勝候補最右翼はレアル・マドリード(Real Madrid)とFCバルセロナ(FC Barcelona)の2強になる。

 11-12シーズンのレアル・マドリードとFCバルセロナは、3位のバレンシア(Valencia CF)に勝ち点30以上の差をつけており、他クラブが大型補強を行ってないことから、優勝争いは2強によって繰り広げられるとみられている。

 王者レアル・マドリードは、FCバルセロナの覇権に終止符を打った11-12シーズンとほぼ同じ陣容で開幕を迎えることになる。

 ジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)監督は、大型補強に動いていたフランス・リーグ1のパリ・サンジェルマン(Paris Saint-Germain)から獲得に興味を示されていたゴンサロ・イグアイン(Gonzalo Higuain)の引き止めに成功し、ラウル・アルビオル(Raul Albiol)、アルバロ・アルベロア(Alvaro Arbeloa)、アンヘル・ファビアン・ディ・マリア(Angel Fabian Di Maria)との契約も延長した。

 現在モウリーニョ監督は、11-12シーズンに勝ち点100を獲得し、喫した敗戦はわずか2試合だけだったチームの補強ターゲットをイングランド・プレミアリーグのトッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)に所属するルカ・モドリッチ(Luka Modric)に絞っている。

 交渉は継続中だが、レアル・マドリードのフロレンティーノ・ペレス(Florentino Perez)会長は辛抱強いことで知られており、移籍市場が閉まる31日まで大きな進展はないかもしれない。

 一方、11-12シーズンは宿敵レアル・マドリードと勝ち点9差の2位に終わったFCバルセロナは、クラブに4年間の栄光をもたらしたジョゼップ・グアルディオラ(Josep Guardiola)監督が退任し、新監督にティト・ビラノバ(Tito Vilanova)氏が就任した。

 今夏の移籍市場でFCバルセロナに加入した選手は、バレンシアから移籍金1400万ユーロ(約14億円)で獲得したジョルディ・アルバ(Jordi Alba)だけとなっているが、1シーズン50得点を記録したリオネル・メッシ(Lionel Messi)の得点力に依存していたチームにとって、脛骨骨折により戦列を離れていたダビド・ビジャ(David Villa)の復帰は補強と同等の価値があるだろう。

■2強を追走するバレンシア、アトレティコも精力的に補強

 昨シーズンまで指揮を執っていたウナイ・エメリ(Unai Emery)氏がロシア1部リーグのスパルタク・モスクワ(Spartak Moscow)の監督に就任したバレンシアは、新監督にマウリシオ・ペジェグリーノ(Mauricio Pellegrino)氏を招へいした。

 またバレンシアは、11-12シーズンにスペイン人選手最多となる17得点を挙げたロベルト・ソルダド(Roberto Soldado)を擁しており、レアル・マドリードからフェルナンド・ガゴ(Fernando Gago)、デポルティボ・ラ・コルーニャ(Deportivo La Coruna)からアンドレス・グアルダード(Andres Guardado)も獲得している。

 一方、11-12シーズンを4位で終えて12-13シーズンの欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2012-13)出場権を獲得したマラガ(Malaga CF)だが、突如としてチームは混乱に陥り、ファンを困惑させている。

 アラブ人オーナーからの財政支援が打ち切られたマラガは、主力のサンティ・カソルラ(Santi Cazorla)をイングランド・プレミアリーグのアーセナル(Arsenal)へ、ホセ・サロモン・ロンドン(Jose Salomon Rondon)をロシア1部リーグのルビン・カザニ(Rubin Kazan)に放出した。

 昨シーズンに2度目のヨーロッパリーグ(UEFA Europa League)制覇を果たしたアトレティコ・マドリード(Atletico de Madrid)は、ディエゴ・シメオネ(Diego Simeone)氏が監督に就任した1月以降、チーム状況を大きく改善させており、補強も精力的に行っている。

 今夏の移籍市場でアトレティコ・マドリードは、ヘタフェ(Getafe CF)からダニエル・アルベルト・ディアス(Daniel Alberto Diaz)、ポルトガル1部リーグのFCポルト(FC Porto)からクリスチャン・ロドリゲス(Cristian Rodriguez)、トルコ1部リーグのフェネルバフチェ(Fenerbahce)からエムレ・ベロゾール(Emre Belozoglu)を獲得した。

 また、オサスナ(CA Osasuna)に期限付き移籍していたラウル・ガルシア(Raul Garcia)も復帰し、加入してすぐシーズン24得点を記録したラダメル・ファルカオ・ガルシア(Radamel Falcao Garcia)の残留も濃厚となっている。

 11-12シーズンを6位で終えたレバンテ(Levante)は、ヨーロッパリーグ出場権を手にしており、クラブの歴史上初めて欧州の舞台に挑戦する。

■セビージャFCは守備陣を補強、昇格組の目標は1部残留に

 セビージャFC(Sevilla FC)は、バレンシアからヘドウィゲス・マドゥロ(Hedwiges Maduro)、スポルティング・デ・ヒホン(Real Sporting de Gijon)からアルベルト・ボティア(Alberto Botia)、ビジャレアル(Villarreal CF)からスペイン代表GKディエゴ・ロペス(Diego Lopez)、カンピオナート・ブラジレイロ(ブラジル全国選手権)1部のパルメイラス(Palmeiras)からシシーニョ(Alex Sandro Mendonca dos Santos 'Cicinho'')を獲得し、守備陣を補強した。

 昨シーズンのヨーロッパリーグとスペイン国王杯(Copa del Rey 2011-12)で決勝進出を果たしているアスレティック・ビルバオ(Athletic Bilbao)だが、今シーズンはまずマルセロ・ビエルサ(Marcelo Bielsa)監督と、退団濃厚とされるエースのフェルナンド・ジョレンテ(Fernando Llorente)の引き留めに成功しなければならない。

 今シーズンから1部に昇格したデポルティボ・ラ・コルーニャ、セルタ(Celta de Vigo)、レアル・バリャドリード(Real Valladolid)の3チームについては残留が目標になる。残留を争うライバルはグラナダ(Granada CF)、ラージョ・バジェカーノ(Rayo Vallecano)、ヘタフェ、マジョルカ(Real Mallorca)になるとみられている。(c)AFP/Dermot Ledwith