【8月13日 AFP】経営難に陥っていたイタリアの格安航空会社ウィンドジェット(Windjet)が12日未明、多くの予約客を残したまま運航を停止し、ローマ(Rome)のフィウミチーノ空港(Fiumicino Airport)では行き場を失った予約客数百人が空港で夜を過ごした。

 同国メディアによれば、イタリア民間航空局(ENAC)は同日、ウィンドジェットの「明らかな能力の欠如」に対するしかるべき措置を取る方針を示した。運航資格の取り消し処分を科す構えとみられている。

 ENACによれば、ウィンドジェットには今年10月までに約30万件の予約が入っている。11日夜にローマを出発予定だったイスラエル・テルアビブ(Tel Aviv)行きの便は直前で欠航となり、搭乗を予定していた200人ほどの旅行客は空港で夜を過ごし、12日午後になっても行き場のない状態となっていた。

 ENACは11日に緊急対策センターを立ち上げ、ウィンドジェットの予約客が小額の追加料金を払えばアリタリア(Alitalia)航空、メリディアナ(Meridiana)、ブルーパノラマ(Blue Panorama)といった航空会社の便を利用できるよう手配している。アリタリアとメリディアナは、シチリア(Sicily)とローマ、トリノ(Turin)、ミラノ(Milan)、ベローナ(Verona)、ボローニャ(Bologna)などの主要都市を結ぶ臨時便を運行すると発表した。

 経営再建中のウィンドジェットはアリタリア航空との買収交渉が決裂した10日以降、予約のキャンセルや発着の遅れが多発していた。

 アリタリア航空は数か月前からウィンドジェットと買収交渉を行っていたが、同社が不利な条件を押し付けようとしているとウィンドジェットのステファノ・ラントゥチオ(Stefano Rantuccio)最高経営責任者(CEO)から非難されたことを受け、買収交渉から手を引いていた。

 アリタリア航空は、ウィンドジェットを経営難から救うことを目的とした仮契約の内容を尊重する意思が全くなかったとしてウィンドジェット側を非難している。(c)AFP