【8月13日 AFP】香港(Hong Kong)警察は9日、警察官の制服に小型ビデオカメラを装着することについて、年内にも試験的に導入すると発表した。米国や英国の警察ではすでに導入しているが、アジアでは初めてとなる。

 この件について人権団体からは、香港が警察国家に向かう一歩と懸念の声があがっているが、香港の警察当局はこうした批判を一蹴。AFPの取材に対し、カメラの装着は抗議デモの参加者をねらい打ちするものではないとしながらも、デモでの法と秩序を乱す者に対する有効な手段であるとも語った。

 カメラは制服を着たの警察官のみが装着し、証拠収集と治安向上に務めるという。

 だが、人権活動団体、香港人権監察(Hong Kong Human Rights Monitor)の羅沃啓(Law Yuk-kai)総幹事は、無作為に市民の姿を撮影することは、憲法で保証された個人のプライバシーを侵害し、同市が誇ってきた自由を脅かすものだと主張。民主運動家の蔡耀昌(Richard Tsoi)氏も、カメラで撮影されることを恐れて、民主化運動への参加を避けるようになるのではと懸念する。

 英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(South China Morning Post)によると、香港警察は英国製ボディカメラ7000台を購入する計画だ。撮影した映像は、裁判で証拠品として用いられる可能性がない限り、30日後に破棄されるという。(c)AFP/Beh Lih Yi