【8月10日 AFP】シリア政府軍と反体制派との戦闘が続く北部アレッポ(Aleppo)で、反体制派は9日、政府軍からの激しい砲撃を受け、中心部のサラヘディン(Salaheddin)地区から撤退した。

 反体制派・自由シリア軍(Free Syrian ArmyFSA)のホサム・アブ・モハメド(Hossam Abu Mohamme)司令官はAFPの電話取材に、2日目に突入したサラヘディンでの戦闘で、FSAはサラヘディンから戦略的撤退をはかったと説明。現在、サラヘディンにFSAの兵士は1人もおらず、政府軍がサラヘディンに進攻しているという。さらにモハメド司令官は、FSAは近郊のスカリ(Sukari)地区に撤退し反撃の準備を進めていることを明らかにした。

 一方、国営テレビは政府の特殊部隊がサラヘディン地区から「テロリスト」を一掃したと報じた。

 だが、シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)のラミ・アブドル・ラーマン(Rami Abdel Rahman)代表によると、サラヘディン地区にはまだ「死を覚悟して闘う決意」のFSAの兵士らが残っているという。

 また、首都ダマスカス(Damascus)の治安情報筋は、政府軍はサラヘディンからサイフ・アッダウラ(Saif al-Dawla)に向けて急進しているが、次の主戦地はスカリになるだろうと話した。(c)AFP/Phil Moore