【8月7日 AFP】ジャマイカのウサイン・ボルト(Usain Bolt)らが出場したロンドン五輪、陸上男子100メートル決勝でスタート時に選手たちに向かってペットボトルを投げつけた観客に、柔道女子70キロ級で銅メダルを獲得したオランダのエディト・ボッシュ(Edith Bosch)選手(32)が「平手打ち」をくらわせた。

 当時、ボッシュ選手はロンドンのオリンピックスタジアム(Olympic Stadium)でレースを観戦していた。審判員が「セット(用意)」と言ったところで、前に座っていた男性がやじを飛ばし、さらに出場中の陸上選手たちに向かってペットボトルを投げつけたという。投げられたボトルは、第5レーンの後ろに落ちた。テレビ映像にも選手たちの後ろでバウンドする緑色のペットボトルがはっきりと写っている。

 このレースで金メダルのボルト選手に次ぎ銀メダルを獲得した同じジャマイカのヨハン・ブレイク(Yohan Blake)選手からは数メートルしか離れていなかった。

 これを見て怒り心頭に達したのが、柔道世界選手権でチャンピオンになったこともあるボッシュ選手。オランダのテレビ局NOSに対し「その男はずっと『ノー、ウサイン・ボルト、ノー』と叫んでいて、まったくリスペクトに欠けていた。私の真ん前に立っていたけれど、ボトルを投げたのは止められなかった。『何事?』って思ったわ。頭に来たので、後ろから思い切りひっぱたいたのよ」と語った。その後、警備員に取り押さえられた男性は警察に逮捕されたという。

 おかげでボッシュ選手は、ウサイン・ボルト選手が五輪新記録を出して優勝したレースそのものを見逃してしまい、それを何よりも悔しがっているようだ。(c)AFP