【8月7日 AFP】米司法省は6日、ギターの材料として絶滅危惧種の木材を違法に輸入した疑いがあるとされているギターメーカーのギブソン(Gibson)が、訴訟を回避するために米当局に35万ドル(約2700万円)の違反金を支払うことに合意したと発表した。

 米司法省のイグナシオ・モレノ(Ignacia Moreno)次官補は声明で、「ギブソン側は、同社が購入していたマダガスカル産の黒檀が、過剰な伐採を抑制し、木材の希少種を保護するとした趣旨の法律に抵触している可能性があることを認めた」と述べている。

 同省の発表によると、ギブソンは他にもインドから紫檀と黒檀を輸入しており、外国の希少な木材の保護を定めた米レイシー法に抵触していた可能性がある。

 同社は違反金30万ドル(約2300万円)の他、木材保護の促進に充てられる「コミュニティ・サービス納付金」として米国魚類野生生物財団(National Fish and Wildlife Foundation)へ5万ドル(約390万円)の支払いを科される。

 さらに同社は、2011年8月に政府に押収されたマダガスカル産黒檀を含む、木材の返還要求の申し立ても取り下げる予定だ。司法省によると押収された木材には、26万1844ドル(約2050万円)の請求書が付されていたという。

 ギブソン側は、裁判に至った場合に伴う訴訟費用を回避することを目的に調停に応じたと自社ウェブサイトで明らかにしているが、過誤があったとは認めていない。(c)AFP