【8月5日 AFP】スウェーデン人は隣国のノルウェー人に対して多数の不満を抱いており、中でも列に並ぶマナーを守らない点を不快に感じている実態が、スウェーデンの日刊紙エクスプレッセン(Expressen)による世論調査で2日明らかになった。

 同紙のウェブサイトによると、「ノルウェー人は列に並ぶのが下手か?」との質問に、調査回答者3800人超の59%が「非常に下手」と答え、「上手」はわずか8%にとどまった。

 調査に先立ち、スウェーデン国境地帯の住民に関する社会学の研究では、所得が高い隣国ノルウェー人への反発が強まっていることが判明している。研究をまとめたエバ・オルソン(Eva Olsson)さんはスウェーデンの通信社TTに対し、「スウェーデン人がノルウェー人についてこれほどたくさん不満を感じているとは驚きです」とコメントした。

 スウェーデン人はかつてノルウェーに越境し、安い乳製品を買い求める倹約生活に慣れていた。しかしその後ノルウェーの所得は石油やガスの輸出収入で押し上げられ、両国の立場は逆転している。オルソンさんはスウェーデンの公共ラジオ放送のインタビューで、スウェーデン人は国内にノルウェー人があふれていると感じていると指摘し、国境地帯におけるノルウェー人への反感が社会的危機に発展する可能性に懸念を示した。

 スウェーデン人がノルウェー人に抱いている不満は、列に並ぶエチケットにとどまらない。迂回(うかい)路での運転の仕方、障害者用のスペースに駐車していることなども「不道徳」と批判されており、たばこや酒を大量に買い込む点も問題視されている。

 しかしスウェーデンの公式データによると、2011年にノルウェー人がスウェーデン国内で支出した金額は115億クローネ(約1500億円)に上った。TTは「ノルウェー人なしでは、われわれの所得は低下するだろう」と述べている。 (c)AFP